当写真館のメインのコンテンツは、列車の長いスクロール画像ですが、一般の写真と異なり列車の片側全側面を見ることができることから、スリット写真独自の見方があるのではと思い、10倍楽しめるかどうか判りませんが、このコーナーを作ってみました。

 一般の鉄道写真では列車を前方から撮影することが多いので、列車の先頭にパンタグラフが付いていない限り、屋根の上のパンタグラフは隠れたりまた遠すぎてよく見えません。その点、スリットカメラで撮影すれば編成の前から後ろまで余すことなくすべてのパンタグラフを見ることができます。さらに、このスリットカメラの撮影ではレールからパンタグラフまでを撮影範囲に入るようにして撮影していますので、必ずパンタグラフの先端まで見えるようになっています。
 さてこのシングルアームパンタグラフは、これからのパンタグラフの主流となっていますが、菱形と異なり左右非対称のためその向きが気になり調べてみました。詳しくは「シングルアームパンタグラフ特集」をご覧ください。皆さんもスクロール画像を見ながら、いろいろなパンタグラフを探してください。
 それぞれのリンクをクリックして列車スクロール画像へ飛んだあと再びこの画面に戻るには、ブラウザの「戻る」機能を使用してください。

1 パンタグラフについて(下の車両は東武鉄道30000系ですが、一部しか見えない上の2つの車両は何かわかりますか。正解は最下行にあります。)

昔からある菱形パンタグラフ。 この画像はこちら こちらは下枠交差形パンタグラフ。 この画像はこちら
シングルアームパンタグラフといい、私鉄ではこのように1両に2基ついている例が多いですこの画像はこちら


2 電動機が組み込まれた台車の見分け方について

上の写真は東急8500系の中間車で右が電動車、左が付随車 この画像はこちら
上の写真は東京メトロ03系の中間車で右が付随車、左が電動車 この画像はこちら
 JRなどでは、電動車について「モ」、制御車や付随車については「ク」や「サ」という記号を使用して、例えばモハ205などと表記された列車は電動車であることがわかりますが、私鉄などでそのような表記のない場合は電動車なのかどうか番号だけではすぐに判りません。さてスリットカメラでは列車側面を一定の角度で撮影するため、台車についても全列車について同じ角度で撮影されます。そこで各車両の台車を見ていくことでその形状の違いから電動車とそうでないものの区別ができる場合があります。
 さて東急8500系の台車を見ていただくと、台車の2つの車輪をつなぐ形状が左右の車両で異なることが判りますでしょうか。左が下に向かって3つのでこぼこがあるのに対して右の台車ではでこぼこが少ないのが判ります。これは台車の中にモーターが組み込まれているため、その一部が見えているためです。
 東京メトロ03系の場合ですが、この場合はパンタグラフがあるので左が電動車であるとわかりますが、台車について同様に見ていくと左右の台車でわずかですが形状に違いがあることがわかります。
 全電動車の場合や背景が暗く台車の形状で区別できないこともありますが、皆さんもほかにも区別できる車両があるか調べてみてください。


3 スポーク又はディスクホイールの車輪

上の写真は小田急8000形のものですが、この走行中の車輪をご覧いただくと、レール面と車軸の間の車輪の向こうが透けているように見えます。
 これは車輪の透けて見える部分がスポーク状又は丸い穴がいくつも開いているディスクホイール状になっているためと思われます。
 スリットカメラの撮影でする場合、斜めに撮影することが有効で、真横からの撮影ではこのようなことは判りません。
 このように見える車両は少ないですが、比較的に軽い車両でスポーク又はディスクホイールの車輪が使われているようです。 この画像はこちら


4 側面表示機の見え方について

JR183系の幕式表示幕
 この画像はこちら
左は電動巻取り式の側面表示機ですが、右は車両改造後LED表示式になりました。LED表示装置になってからは走行中に一定の速度に達すると表示が消えるようになっているので、LED式の場合は文字が写っていないことが普通です。また写っていても幕式のものに比べ読みにくいです。ちなみに253系の表示は「回送」です。ただ一眼レフのデジカメでLEDを撮影するとシャッター速度が1/125以上だと表示が切れて写ることがありますが、私のスリットカメラの場合ではそのようなことは起こっていません。 JR253系のLED側面表示器
 この画像はこちら
 この4枚の写真は、京浜東北線209系500番台の側面写真で右から2、5、7、10の順で列車は右から左に走行中です。この編成の側面の行き先表示板はLED式で京浜東北線の表示と行き先である「鶴見」の表示を一定間隔で繰り返して表示しています。列車は10秒ほどで撮影されますが、撮影中にこのように表示が変化したためこのように写ったのです。結果的にこの表示は3秒ごとに切り替わっているのがわかりました。この画像はこちら


5 横にずらりと並んだ抵抗器

 この画像は東武鉄道6000系快速電車の床下の抵抗器ですが、ずらりと並ぶさまは壮観です。この6000系については改造され6050系として現在も使われているので探してみてください。旧式車両で抵抗制御用の床下機器にはこのような抵抗器が使われていますが、横に17個並んでいるのはほかに見たことがありません。この画像はこちら


6 変わった形状の連結面転落防止幌

近鉄8000系の転落防止幌
この画像はこちら
東武8000系の転落防止幌
この画像は
こちら
東武20000系の転落防止幌
この画像はこちら
 連結面に設置される転落防止用の幌は通常1m程度のゴム製の立て板が取り付けられていますが、ほかに変わった形状のものを捜して見ました。


7 ドア

この画像はこちら この画像はこちら
 列車のドアについて変わったものを集めました。1枚ドアは昔は普通でしたが、現在はほとんど2枚ドアに変わりました。その右は小田急1000形のワイドドアです。座席が少なくて不評のためその後内側を改造しました。その下は今はホームドア設置のため山手線からなくなりましたが、埼京線などに残る6ドア車です。この画像はこちら


8 コンテナ貨物列車

 コンテナ貨車に搭載するコンテナは貨車の長さ60フィートに大小のコンテナを積み込みますが、写真ではポピュラーな12フィートコンテナを積んだ状態で走っています。コンテナの積み方は必ず左右対称に積むためこのような1個の場合でも中央に積んであります。他の積み方については、それぞれの貨物列車の編成でお確かめください。 この画像はこちら
 この機関車はEH500形という金太郎の愛称で呼ばれるマンモス機関車です。上は76号機、下は23号機と違う機関車ですが、いずれも同一場所で撮影したものです。ここでよく見るとこの2台の機関車の向きが反対になっているのがお分かりになると思います。機関車側面のエンドを示す第1エンドと第2エンドの表示も、また、パンタグラフの位置も逆です。災害などで別の路線を迂回するなどしたときこのように方向が逆になることがあるようです。このような大型機関車は昔のようなターンテーブルに載せて方向転換できませんので、現在は三角線という方向転換用の線路を走らせて方向を変えるようです。 これらの画像はこちら


9 昔の電車、窓等に広告のない風景

 これは昭和54年5月に東北本線(今の宇都宮線)で撮影した各駅停車の小金井発大宮行き15両編成の先頭車ですが、ご覧のように冷房装置もないですがドアや戸袋の窓に広告等がなく、とてもすっきりしています。この頃でも103系の山手線などは既にドアに広告等が張られていたことでしょうが、昔はこんなものだったのですね。この画像はこちら 

正解:左の画像は山手線205系、右の画像はJR西日本223系