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655系電車は平成19年7月に登場したJR東日本の交直流特急形車両で、6両編成1本が在籍し「なごみ」という愛称を持っています。これまで天皇・皇族の専用車両として昭和初期から使われていたお召し列車用の皇室用客車の老朽化が進行したことで、これの置き換え用として製造されたものです。従来の皇室用客車は天皇・皇族等のみ乗車可能でしたが、E655系電車では天皇や国賓などの要人が利用する「特別車両」を外し「ハイグレード車両」と呼ばれる5両編成とすることで、一般客の利用にも対応してジョイフルトレインとしての役割も兼ね備えています。さらに、直流1500V、交流2万V(50Hz・60Hz両対応)の3電源に対応していて、中央本線などの狭小トンネルも通過できる構造になっているため、JR東日本管内の殆どのエリアをはじめ、他社への乗り入れも可能な構造となっています。なお、製造会社は特別車両と4・5号車が日立製作所で1- 3号車が東急車輛です。E655系電車はお召し列車に使われることから塗色は「漆色」と呼ばれ、光線の当たり具合で色合いが変化する塗装となっていますが、車体への写りこみも顕著で、今回の写真のように沿線の構築物が写りこむため車体側面が綺麗に取れない状態です。今回の撮影で特徴的なのは、列車の先頭に列車前方の線路や沿線の建物がまるで絵画の風景のように写っていることでした。平成22年5月2日撮影 |