昭和43年7月の御殿場線の電化により、小田急SSE車が御殿場まで急行「あさぎり」として乗り入れるようになりました。その後、昭和62年4月のJRの発足により御殿場線はJR東海に所属する路線となりました。平成3年3月、それまで連絡急行用車両として使われていた小田急SSE車が老朽化したことから、小田急でも20000系を新規に2編成製造しましたが、そのとき相互乗り入れ用としてJR東海が設計製作したのがこの371系です。また、乗り入れの運転区間も沼津まで延長され、急行も特急に格上げされました。その後、両社で3編成あり特急「あさぎり」として1日4往復していました。371系は、小田急20000系と基本的に構造が同じで5M2Tの7両編成で中間のサロハ371、2両はダブルデッカーで2階が1+2席配置のグリーン車となっていて、前面の楕円型の大型ガラスが目立つスタイルです。側面については小田急20000系に比べても窓の下辺が低く眺望が良い感じです。なお、車輪下部に大変お見苦しいラインが何本も入っていますが、これはMSE車を撮影したときと同じ原因による失敗作です。今回の撮影はほぼ真横から撮影しており、逆光のため乗客の姿がシルエットのように写しだされています。さて小田急のRSE車は平成24年3月16日のラストランにより引退し、変わりにMSE車が小田急車のあさぎりとして運行を続けていますが、このJR東海の371系はあさぎりも引退後JR東海管内で臨時列車として使われてきましたが、平成27年3月に富士急行に譲渡され、7両編成が3両に改造され、「富士山ビュー特急」用として平成28年4月23日に運行を開始しました。平成20年3月撮影、伊勢原駅付近にて