京急600形電車は製造当初は、乗客の快適性を重視する姿勢から地下鉄乗入れ車としては珍しい全座席クロスシート車両として登場しました。600形の1 - 3次車では両端ドアの車体中央寄に混雑時の収容力確保のため運転台からの操作で2人掛けと1人掛けが転換する可動式座席「ツイングルシート」が採用されました。「ツイングル」とは「ツイン」と「シングル」をかけた造語とのことです。この可動式座席は、補助席と合わせ1両あたり最大32人の座席定員を変えることができますが、機構が複雑でコストが高く、収納時の座席数が少ない上、座面のクッションが薄く硬かったため、乗客からの評判は芳しくなかったようです。また、クロスシートは、混雑時に不評だったことから、平成17年に車端部を除いてロングシートにするという改造工事が開始されました。車体はアルミ製で、登場時の2000形と同様赤い車体に窓回りを白く塗装しています。前面は大きな3次元曲面で構成され、昔からの京急の車両の特徴だったアンチクライマーが廃止されるなど新しいスタイルとなりました。このデザインは後に登場した2100形、新1000形に引き継がれています。京成押上線 普通「青砥行き」列車、四ツ木-立石間にて撮影