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 上の写真を比べてください。どちらの写真も東武鉄道1800系「りょうもう号」を撮影したものです。
 左の写真1は、線路より30メ−トル以上離れて通過列車を撮影したもので、右の写真2は、複線区間の通過列車を反対側のホ−ム上より約5メートル離れて撮影したものです。
 前者は135ミリの望遠レンズで撮影し、後者は25ミリの広角レンズで撮影しています。
 前者の望遠レンズでは遠くから引き付けた感じであり、後者の広角レンズでは列車の車体が手前に突き出た感じですが、これは望遠と広角の一般的な写り方の違いです。

 スリットカメラで撮影した場合、これ以外に写真ではちょっとわかりにくいかもしれませんが、広角では屋根の上のベンチレ−タや車内の反対側の窓などはかなりブレて写っているのに対し、望遠ではそれらを含め車両全体がはっきり写っているのです。
 これはスリットカメラ独自のもので、どうしてこうなるのか下のグラフでご説明します。


 上のグラフは前述の望遠レンズと広角レンズの写り方の違いを説明するために作成したものです。
 グラフの2つの曲線は、
左側から25mmレンズ、135mmレンズの順で描かれています。
各曲線は高さ3.6mの車両がフィルム上で写る画像の大きさ(mm)を撮影距離との関係で表したものです。25mmレンズでは5m、135mmレンズでは27m離れて撮影したとき画像の大きさは、ちょうど18mmになります。

 次に、撮影する鉄道車両の幅を2.8メ−トル(車体中央より左右プラスマイナス1.4メ−トル)とすると、Y軸上でこの奥行きがフィルム上では135ミリ望遠レンズの場合はプラスマイナス0.9ミリメ−トルの差にとどまるのに対し、25ミリ広角レンズの場合はプラスマイナス5.5ミリメ−トルにもなります。
 この差が大きいほどフィルム上では画像がブレて写ることとなりますので、車両全体をより鮮明に写すためには望遠レンズを使ったほうがよいということになります。

  

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