E351系は「スーパーあずさ」用として平成5年12月に登場したJR東日本初の制御付き自然振り子式構造を採用した特急型車両です。中央線は山間部を走りカーブが多いため速度制限が多いので、曲線通過速度を向上させるため、振り子式車両が導入されました。また、このE351系からJR東日本所属を示す車両形式の前に記されているアルファベットの「E」が使われるようになりました。E351系は振り子式であるため、車体が内側に傾くと車両に電気を取り込むパンタグラフが架線から大きく離れてしまう恐れがあります。そこで、E351系の場合はスリット写真でも一部見えますが、台車枠からアームが伸びていて、その先にパンタグラフがついているため、車体が傾いてもパンタグラフは傾かないという面白い仕掛けになっています。最高速度は130km/h、松本〜新宿の最速列車は2時間25分で、表定速度は山岳路線ながらも90km/hを突破していますが、振り子装置は信濃大町〜八王子間で使用し、八王子以東では装置を停止させて走行しているようです。当初は中央本線特急の高速化を目指し、183系や189系を殆ど置き換える予定でしたが、製造コストの割には劇的な速度効果が見込めないと判断され、結局5編成のみの製造に留まっています。さて平成26年4月にJR東日本からE351系に取って代わるE353系の新造計画が発表され、平成27年8月に量産先行車として基本編成9両、付属編成3両のE353系が総合車両製作所横浜事業所で完成し試運転が行われました。