885系電車は、JR九州の交流特急形電車で平成12年3月より営業運転を開始した。885系は783系と485系を使用していた特急「かもめ」の速度向上を目的とした振り子式車両で、振り子式車両としてはすでに883系が存在し「ソニック」で使用されていたが、883系と車体構造・内装デザインが変更され、全車66両が日立製作所で製造された。平成13年には鉄道友の会第44回ブルーリボン賞、ブルネル賞、グッドデザイン賞を受賞している。デザインは水戸岡鋭治主宰のドーンデザイン研究所が担当し、車体は日立製作所のモジュール構体システム「A-train」を採用し、摩擦撹拌方式 (FSW) により製造されたダブルスキン構造のアルミニウム合金製で、前頭部は新幹線や、ドイツの高速列車ICE3を彷彿させるような、非貫通構造で丸みの帯びた流線型とし、併結用の密着連結器はカバーで車体と一体になるようにデザインされている。中間電動車のモハ885形にシングルアーム式パンタグラフを装備している。登場時は車体下部の帯と前面窓回りは黄色で、「かもめ」ロゴが配されていたが、車体側面の「かもめ」エンブレムは後に撤去された。平成22年12月にSM5編成が最初に2次車と同じ青帯に塗り替えられ、車体側面のロゴも「AROUND THE KYUSHU」と入ったものに変更されたが、先頭部など一部にまだ「かもめ」ロゴが残っている。その後、他の1次車も順次青帯へと変更され、平成24年6月までに885系全編成が青帯に統一された。赤間駅付近でSM7編成(一次車)を撮影